内視鏡的止血術を施行した低用量アスピリン起因性胃十二指腸潰瘍出血症例の臨床像と転帰
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概要
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【目的】低用量アスピリン起因性胃十二指腸潰瘍出血症例の臨床像の検証.【方法】内視鏡的止血術を施行した低用量アスピリン服用中の出血性胃十二指腸潰瘍231例を対象とし,臨床像と問題点を検討した.【結果】91例は併存疾患で入院中に発症(院内発症)した.23例は死亡退院した.うち7例は内視鏡的に止血不能で,残り16例は止血し得たが,出血を契機に併存疾患の悪化,感染症や血栓塞栓症の合併により死亡した.Charlson Comorbidity Index,腎不全(血液透析),多発性出血病変の存在,院内発症が死亡退院に関与した.7例で,出血に伴い抗血栓薬を休薬中に血栓塞栓症を合併した.【結論】腎不全(血液透析)など併存疾患の多い症例や院内発症例は出血を契機に死亡するリスクが高く,出血予防,併存疾患や合併症に対する管理が必要である.迅速,確実な止血と止血達成後の早急な抗血栓薬の再開も重要である.
著者
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白石 慶
小倉記念病院消化器内科
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松本 俊彦
小倉記念病院 消化器内科
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吉田 智治
小倉記念病院 消化器内科
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青山 浩司
小倉記念病院 消化器内科
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浦山 直樹
小倉記念病院 消化器内科
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藤本 憲史
小倉記念病院 消化器内科
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牟田口 真
小倉記念病院 消化器内科
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中村 綾子
小倉記念病院 消化器内科
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保利 喜史
小倉記念病院 消化器内科
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小田原 満
小倉記念病院 消化器内科
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白石 慶
小倉記念病院 消化器内科
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