虚血性大腸炎様症状にて発症したcollagenous colitisの1例
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概要
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患者は86歳,女性.逆流性食道炎症状に対しランソプラゾールを内服していた.突然の臍周囲痛,数回の下痢,血便を認め入院となった.大腸内視鏡検査では脾弯曲付近の下行結腸に数cmの粘膜裂創と,遠位下行結腸にも凝血塊で覆われた縦走潰瘍を認めた.生検にて被蓋上皮直下にcollagen bandの肥厚と粘膜固有層内に慢性炎症細胞浸潤を認め,collagenous colitisと診断した.ランソプラゾールを中止後,症状は改善した.6カ月後の大腸内視鏡では縦走潰瘍は瘢痕化し,病理組織所見でもcollagen bandの肥厚はほとんど消失していた.通常は慢性下痢症状で発症するcollagenous colitisであるが,急激な腹痛,血便の虚血性大腸炎様症状で急性発症した点が特異的であった.
著者
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吉澤 要
国立病院機構信州上田医療センター 消化器内科
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藤森 一也
国立病院機構信州上田医療センター 消化器内科
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金井 圭太
信州大学 消化器内科
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丸山 康弘
国立病院機構信州上田医療センター 消化器内科
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丸山 雅史
国立病院機構信州上田医療センター 消化器内科
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前島 俊孝
国立病院機構信州上田医療センター 研究検査科
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滋野 俊
国立病院機構信州上田医療センター消化器内科
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柴田 壮一郎
信州大学 消化器内科
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滋野 俊
国立病院機構信州上田医療センター 消化器内科
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