中学生におけるストレスマネジメントの変容ステージと意思決定バランスの尺度開発
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概要
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目的:本研究は,中学生のストレスマネジメントの変容ステージと意思決定バランスを把握する尺度を作成し,その信頼性および妥当性を検討することを目的とした.方法:尺度の信頼性と妥当性を検討するため,2010年10月から12月に神奈川県の中学校7校の1~3年生1,533名を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施した.変容ステージについては,ストレス反応得点との関係から妥当性を検討した.意思決定バランスは,因子分析による項目選定の後,内的整合性,検証的因子分析,変容ステージとの関係から,尺度の信頼性と妥当性を検討した.また,101名を対象に1週間間隔による再テスト法を実施した.結果:ストレスマネジメントの変容ステージの再テストはκ係数0.60,一致率73.5%であり,概ね再現性が確認できた.また,ストレス反応得点との関係を検討したところ,前熟考ステージと比較して実行ステージおよび維持ステージのストレス反応得点は低値を示した.ストレスマネジメントの意思決定バランスは,探索的因子分析の結果,利益8項目(α=0.89)と負担8項目(α=0.85)から成る2因子構造が得られた.検証的因子分析において,概ね許容できる適合度指標が得られた(CFI=0.94,GFI=0.93,AGFI=0.90, RMSEA=0.07).また,一元配置分散分析の結果,利益,負担の尺度得点には,ステージによる差が確認され(P<0.05),TTMの理論に合致した結果が得られた.なお,再テスト信頼性係数は,利益0.54,負担0.58であり,いずれも有意の中程度の相関が示された.結論:開発したストレスマネジメントの変容ステージと意思決定バランス尺度は,信頼性が概ね確認できた.また,妥当性については部分的に確認ができ,本尺度の使用の可能性が示された.
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