前側方低位筋間痔瘻に対するLigation of Intersphincteric Fistula Tract術後の短期成績と肛門機能

概要

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目的：痔瘻に対する括約筋温存手術にLigation of Intersphincteric Fistula Tract（LIFT）法が発表され，高い治癒率と臨床的な肛門機能の温存が報告された．しかし，LIFT術後の客観的な肛門機能の評価は示されていない．われわれはloose setonを併用したLIFT変法を施行し，肛門内圧検査によって，術後の肛門機能を評価した． 方法：前側方型の皮下外肛門括約筋を貫く低位筋間痔瘻に対してLIFT変法を施行し，治癒率と術前後の肛門機能を前向きに評価した． 結果：16例に施行し1例の非治癒例を除く15例（93.8％）に治癒を認め，治癒例はその後の再発も認めなかった．肛門内圧検査では，MRP値は術前132.3±32.1cmH2O，術後135.3±44.5cmH2Oと術前後で有意差は認められず（P＝0.54），またMSP値は術前407.5±185.2cmH2O，術後436.9±219.1cmH2Oと術前後で有意差は認められなかった（P＝0.88）． 結論：前側方型低位筋間痔瘻に対するLIFT変法の術後肛門機能は，術前と比べ有意な低下を認めなかった．