ブナの雌花序痕を用いた作柄推定:—富山県におけるブナの豊凶とツキノワグマの出没の関係—
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概要
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富山県の5林分においてブナの枝を採取して雌花序痕と冬芽を調べ, 開花結実の年変動を過去に遡って推定した。枝レベルでの開花の年変動パターンは多様であり, 樹体の資源収支が関係している可能性が考えられた。林分レベルで推定した結実の作柄はシードトラップ調査や文献調査結果とよく一致した。ブナの作柄が良いほどツキノワグマの有害捕獲数が少なくなる傾向があり, ブナの豊凶は富山県におけるクマの人里への出没の多寡に関係していることが示唆された。ブナの豊作年は有害捕獲数が極端に少なく, クマのブナ堅果に対する選好性の強さが関係していると考えられた。クマが人里へ大量出没したのはブナの凶作年だったが, 凶作年に必ずしも大量出没するとは限らず, ミズナラなど他樹種の豊凶も大量出没に関係していると推察された。
著者
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中島 春樹
富山県林業技術センター林業試験場
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中島 春樹
Toyama Prefectural Agricultural, Forestry and Fisheries Research Center, Forestry Research Institute
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