キクイムシの加害様式と随伴菌の病原性との関係
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概要
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キクイムシ類には非常に多様な菌類が随伴している。これらの菌類は分散をキクイムシに強く依存することで生存, 繁栄してきた。その中で宿主樹木に対して病原性を有する種類もいくつか知られている。特に <I>Ceratocystis およびOphiostoma</I>属といったオフィオストマトイド菌類は宿主樹体内の健全部位に侵入し, 結果的に宿主組織が破壊される。キクイムシとオフィオストマトイド菌類による樹木の枯死機構には大きく分けて二つのタイプが存在する。一つはマウンテンパインビートルやスプルースビートルに代表される大量穿孔 (マスアタック) により樹体内に菌が持ち込まれ, 枯死するタイプで, もう一つは, ニレ類立枯病のようにキクイムシによる後食加害に伴い菌が樹体内に侵入し, 全身性の萎凋症状が引き起こされるタイプである。両者はキクイムシと随伴菌オフィオストマトイド菌類による樹木の枯死という一見同じシステムであるが, 全く異なるシステムの樹木枯死被害を引き起こしている。
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