新規に合成した水酸化鉄のヒ素吸着特性
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概要
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硫酸第一鉄,次亜塩素酸ナトリウム,水酸化ナトリウムから合成した水酸化鉄(新規水酸化鉄)のヒ素除去能力を調べ,吸着剤の性能について検討した。新規水酸化鉄の主要成分は鉄,硫黄,塩素,ナトリウムであった。X線粉末回折,示差熱分析,電子顕微鏡観察により非晶質水酸化鉄であることを確認した。吸着等温線はLangmuir式に従い,低濃度から高濃度域まで高いヒ素吸着量を示した。As20 mg·L<SUP>-1</SUP>,新規水酸化鉄添加量10 g·L<SUP>-1</SUP>の場合,亜ヒ酸及びヒ酸の吸着除去速度は極めて速く,1分間で溶液中のヒ素濃度が検出下限値以下になった。同様の条件下でpHを3.0~9.0の範囲で変化させても,1時間後の亜ヒ酸,ヒ酸の除去率はいずれもほぼ100%であった。高濃度の硫酸,塩化物,硝酸,炭酸水素イオンを共存させても,亜ヒ酸イオン,ヒ酸イオンの吸着に影響を及ぼさなかった。カラム除去実験では空間通水速度が速いほどヒ素吸着量が少なくなるものの,高いヒ素除去効果が認められた。
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