玉川酸性水中和処理におけるシュベルトマナイト様化合物の形成によるヒ素及びクロムの取り込み
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概要
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玉川中和処理施設を含む玉川上流域の詳細な調査を行い,茶褐色の堆積物を本処理施設放流口で発見した。その堆積物が関与する源泉中のヒ素(As)及びクロム(Cr)の濃度低下の現象について検討した。この堆積物は粉末X線回折(XRD),赤外線吸収スペクトル(FT-IR)分析によりシュベルトマナイト(Sch)様化合物であることが明らかとなった。源泉に含まれるFe 150 mg·L<SUP>-1</SUP>,As 2.8 mg·L<SUP>-1</SUP>,Cr 0.093 mg·L<SUP>-1</SUP>の濃度は,中和処理放流水でFe 55 mg·L<SUP>-1</SUP>,As 0.75 mg·L<SUP>-1</SUP>,Cr 0.025mg·L<SUP>-1</SUP>に減少した。また,本処理施設放流口の堆積物中にはFe 39 wt.%,As 1.7 wt.%,Cr 0.020 wt.%が含有していた。以上の結果から,中和処理過程においてSch様化合物の形成に伴い源泉中のAs及びCrが取り込まれ,同化合物中に蓄積していることが強く示唆された。
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