奈良県における未受診妊婦に関する実態調査
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概要
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妊婦健康診査(以下,健診)をほとんど受診することなく分娩に至る妊婦健診未受診妊婦(以下,未受診妊婦)に関する既報では多くが施設単位であるため,奈良県全体での実態を把握するためのアンケート調査を実施した.未受診妊婦の定義は,(1)全妊娠経過を通じての産婦人科受診回数が3回以下,または(2)最終受診日から3カ月以上の受診がない妊婦,のいずれかに該当する場合とした.県内のすべての分娩施設に対し,平成22年1月からの1年間の分娩数と,未受診妊婦があれば個別に母児の状況を調査した.年間11,168例の総分娩数中の11例(0.10%)の未受診妊婦を認めた.初産婦は4例(36.4%)で,5回あるいは7回と多産の経産婦もいた.未入籍は9例(81.8%),妊娠のパートナーと音信不通になっている者が5例(45.6%)いた.重篤な合併症を認めた母体が3例(27.3%),集中治療室に収容された新生児が3例(27.3%)であった.産褥健診を受診しなかった1例(9.1%)は,新生児の1カ月健診も受診しなかった.未受診を防ぐことは,母児の健康を確保するだけでなく,周産期母子医療センターへの患者集中を防ぎ,周産期の医療資源の有効利用にもつながるため,社会全体でその解消に取り組む必要がある.また未受診であった妊婦に対しては,虐待のハイリスクグループと考え,その後を通常の妊婦と異なる個別の対応を行うことにより,虐待を防止することができるかもしれない.〔産婦の進歩65(1):1-10,2013(平成25年2月)〕
著者
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高井 一郎
Takai Ladies Clinic
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堀江 清繁
Department of Obstetrics and Gynecology, Yamato Takada Municipal Hospital
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原田 直哉
Department of Obstetrics and Gynecology, Nara City Hospital
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小林 浩
Department of Obstetrics and Gynecology, Nara Medical University
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井上 芳樹
Department of Obstetrics and Gynecology, Nara Hospital Kinki University Faculty of Medicine
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潮田 悦男
Ushioda Hospital
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大井 豪一
Department of Obstetrics and Gynecology, Nara Medical University
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小畑 孝四郎
Department of Obstetrics and Gynecology, Nara Hospital Kinki University Faculty of Medicine
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喜多 恒和
Department of Obstetrics and Gynecology, Nara Prefectural Nara Hospital
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下里 直行
Shimozato Clinic
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中島 容子
Akasaki Clinic
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中村 徹
Tomio Women's Clinic
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橋本 平嗣
SACRA Ladies Clinic
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林 道治
Department of Obstetrics and Gynecology, Tenri Hospital
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赤崎 正佳
Akasaki Clinic
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中村 徹
Tomio Women's Clinic