形態画像60年の歩み
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概要
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生体の機能には必ず構造と物質の裏付けがある.機能理解の手がかりとなる構造情報には次の様な特性を持つ事が求められる.1) 出来るだけ生体に近い情報であること.2) 時間,空間の高い分解能を持つこと.3) 物質及びそのダイナミクスに付いての情報を含むこと.4) 定量的であること.1) の要件には光学顕微鏡が有利であり,2)の空間分解能には電子顕微鏡が圧倒的に有利である.生体の構造と機能の動態を高い空間分解能で直接観察するのが我々世代の生物学者の夢であったが,現在では光学系と画像技術のすばらしい進歩で,光学顕微鏡によって1),2)の要件は,ほぼ満たされる時代となった.高い分解能を武器とする電子顕微鏡の分野では,超低温電子顕微鏡を用いたトモグラフイー解析によって各種の膜チャンネルなど重要な生体分子の構造と動態がサブナノメーターレベルの分解能で解明されている.3),4)の要件については分子生物学と遺伝子操作の発達が大きく道を開いた.<BR> 1948年に研究を始めてから現在まで,上記の4要件を満たす夢を抱きながら,種々の顕微鏡を使って生体の構造,機能解明の研究を続けて来た演者の経験を述べた.
- 日本植物形態学会の論文
著者
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