マイクロフォーカスX線CT装置における階調値の精度の検証およびCT値への規格化について
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概要
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マイクロフォーカスX線CT装置は高空間分解能 (2μm/pixel) での非破壊観察が可能であり, 堆積物や岩石の組織解析などに非常に有効な装置である. 良好なX線CT画像を得るためには管電圧と管電流の最適な条件決定が最重要である. 画像には, 光線硬化やリングアーチファクト, 量子ノイズなどによるノイズが認められるが, 撮影条件の工夫によって軽減することが可能である. また, X線CT画像の階調値の定量的な取り扱いにおいて, 撮影条件による誤差以外に, 試料の材質やサイズにも大きく依存することにも注意が必要である. しかし, 以上の撮影条件を統一することによって, 階調値を定量的に取り扱うことが可能であり, その一例として, 0.2-0.8mol/lのKI溶液を標準物質として用いたKI濃度とCT値および階調値間の検量線を作成し, 階調値からCT値への規格化が可能であることを示した.
著者
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廣野 哲朗
大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻
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廣野 哲朗
大阪大学大学院理学研究科
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西村 征洋
株式会社マリン・ワーク・ジャパン
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林 為人
独立行政法人海洋研究開発機構高知コア研究所
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多田井 修
株式会社マリン・ワーク・ジャパン
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