最大径3mm以下小型動脈瘤のコイル塞栓術
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概要
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【目的】13例の小型動脈瘤のコイル塞栓術の有効性と安全性について検討した.【対象・方法】2005年2月から2009年2月までのコイル塞栓術97症例のうち最大径が3mm以下の動脈瘤12例13動脈瘤(破裂8,未破裂5)を対象とした.各々の塞栓状態の経時的変化,合併症などを検討し,さらにGuglielmi detachable coil(GDC)と2007年以降に使用可能になった新しいコイルを用いた場合の体積塞栓率,手術時間を比較した.【結果】13動脈瘤全例でコイル塞栓術が可能だった.合併症は塞栓症1例,術中破裂1例を認めた.術後血管撮影で完全閉塞(CO)は5例,不完全閉塞(ICO)は8例だった.平均追跡期間は22.8ヵ月で経過中の再破裂はなかった.ICOであった8例中5例(破裂動脈瘤5例中4例)が追跡期間中の血管撮影でCOに移行した.GDC以外の新しいコイルを用いた症例では,体積塞栓率が改善され平均手術時間が短縮された.【結論】小型動脈瘤は術中破裂の危険性が高くなるが,カテーテルやコイル挿入に工夫することで安全な塞栓術が期待でき,ICOが経過とともにCOになるケースが多かった.治療技術や道具の進歩によって小型動脈瘤はさらに安全に治療できるようになると思われる.
著者
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内田 和孝
兵庫医科大学脳神経外科
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新光 阿以子
合志病院 脳神経外科
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山浦 生也
吉田病院付属脳血管研究所 脳神経外科
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浦元 智司
神戸徳洲会病院 脳卒中診療部
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木寺 摩美
神戸徳洲会病院 脳卒中診療部
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松本 強
合志病院 脳神経外科
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福島 康久
合志病院 脳神経外科
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内田 和孝
兵庫医科大学 脳神経外科