血漿中アミノ酸濃度変化を利用した前立腺がんの診断

元データ 日本人間ドック学会

概要

目的:血漿中アミノ酸濃度は,生理学的な代謝状態を反映することが知られており,肝臓機能障害時や種々のがんで血漿中アミノ酸濃度が変化することが示唆されている.前立腺がんの早期発見,治療につながる新しい診断マーカーの開発を目的とし,前立腺がん患者と対照者との血漿中アミノ酸濃度の比較に基づき,アミノ酸を変数とした多変量解析により作成した判別式「アミノインデックス」による前立腺がん判別の可能性を検討した.方法:前立腺がん患者と対照として人間ドック受診者の血漿中アミノ酸濃度を測定した.患者群と対照群とのアミノ酸濃度を比較し,個々のアミノ酸濃度変化を,変数選択を伴う多重ロジスティック回帰により,前立腺がん患者を判別する判別式「アミノインデックス」を導出,前立腺がんの診断能の評価を行った.判別能の評価基準としては,ROC曲線下面積(ROC_AUC)を採用した.結果:対照群と比較し,前立腺がん患者は,Alanine, Histidine,Asparagine, Prolineの増加,Triptophanの減少が見られた.導出された前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,ROC_AUC=0.74の判別能を有し,早期がんも検出できた.またPSAとは有意な相関は見られなかった.結論:前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,前立腺がんの新しい診断マーカーとなる可能性が示された.また,PSAと独立した指標であることから,PSAとの併用による有用性が示唆された.

著者

村松 孝彦 味の素株式会社ライフサイエンス研究所
山本 浩史 味の素株式会社HI班
山門 實 三井記念病院総合健診センター
岡本 直幸 神奈川県立がんセンター臨床研究所がん予防・情報研究所
山門 實 三井記念病院 総合健診センター
三浦 猛 神奈川県立がんセンター
三浦 猛 神奈川県立がんセンター 泌尿器科
岡本 直幸 神奈川県立がんセンター
宮城 洋平 神奈川県立がんセンター 検査技術第4科
今泉 明 味の素株式会社
山本 浩史 味の素株式会社
宮城 洋平 神奈川県立がんセンター 臨床研究所・がん分子病態研究部門
岡本 直幸 神奈川県立がんセンター 臨床研究所・がん予防情報研究部門
今泉 明 味の素株式会社イノベーション研究所
村松 孝彦 味の素株式会社イノベーション研究所
村松 孝彦 味の素株式会社

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