駿河湾深層水を用いたサガラメEisenia arboreaの0.1‐1kL水槽規模での培養
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概要
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駿河湾深層水を用いたサガラメEisenia arboreaの陸上養殖技術の開発を目的に, 駿河湾深層水をかけ流し, 通気によって胞子体を浮遊させた状態で0.1-1kL規模の水槽を用いた培養を試み, 培養密度と生長率の関係について調べた. 材料にはフリー配偶体から生産したサガラメ胞子体を用い, 開始時の葉長 (19~50mm) 及び培養密度 (1.65~4.80kg/kL) の異なる5試験区を設定した. 自然光の差し込む屋内で容量0.1kLから1kLの水槽を用い28~48日間培養した. いずれの試験区も培養期間の経過に伴い葉長と湿重量が増加し, 培養終了時には開始時から3.55~7.62kg増重した. 日積算光量の平均値が同様の2期間において, 培養密度と葉長および湿重量の各相対生長率の関係を検討した結果, 負の相関が認められた. 以上のことから, 駿河湾深層水を用いた浮遊培養によるサガラメの養殖は可能であり, 培養密度を2kg/kL以下に保つことで高い生長率を維持できると考えられた.
著者
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二村 和視
静岡県水産技術研究所
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野田 浩之
静岡県水産技術研究所
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二村 和視
静岡県水産技術研究所利用普及部
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野田 浩之
静岡県水産技術研究所駿河湾深層水水産利用施設
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岡本 一利
静岡県産業部水産資源室
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