多列検出器CTとMRIで病変を観察し得た左室内血栓を合併した孤発性心室筋緻密化障害の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
脳梗塞にて来院した孤発性心室緻密化障害例で多列検出器CT (multi-detector CT; MDCT) とMRIで左室壁在血栓の描出を試みた. 心エコー法で左室後壁から心尖部の間隙にドプラ法で血流を認める過剰な肉注形成と心尖部に血栓を示唆する塊状エコーを認めた. MDCTでは左室後壁から心尖部の網目状の肉注形成が明瞭となり, 血栓との識別が容易となった. MRIではT2強調で非緻密化部が高信号域の層として描出され, 遅延造影法では非緻密化部が遅延造影を示し, 正常心筋および血栓との識別がより明瞭となった. 孤発性心室緻密化障害においてMDCTおよびMRIは診断および障害部位の範囲の同定だけではなく, 塞栓症の原因となる壁在血栓の検出にも有用であることが示唆された.
著者
関連論文
- 158)感染性心内膜炎を契機に発見されたバルサルバ洞動脈瘤破裂の1症例(第100回日本循環器学会近畿地方会)
- 98)カテーテル困難な術前症例に対してMDCTを用いて冠動脈疾患をスクリーニングした一例(第101回日本循環器学会近畿地方会)
- 116) 意識消失発作を主訴に来院し発作性上室性頻拍症を呈した肥大型心筋症の1例(日本循環器学会 第91回近畿地方会)
- 117)自然経過で心機能が改善した増多性心筋炎の1例(日本循環器学会 第92回近畿地方会)
- 135)発症20年後に非心血管症状から発見された,著明な上行大動脈拡大と大動脈弁逆流を伴う大動脈炎症候群の一例(第102回日本循環器学会近畿地方会)
- 経胸壁ドプラ心エコー法によりステント留置後再狭窄の診断を試みた2例
- 心臓MRIが冠動脈インターベンションの治療戦略に有用であった急性心筋梗塞の1例
- 多列検出器CTとMRIで病変を観察し得た左室内血栓を合併した孤発性心室筋緻密化障害の1例