Fontan術後,遠隔期に生じたplastic bronchitisの1例
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概要
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Fontan術後の遠隔期合併症として極めて稀と思われるplastic bronchitis(PB) の5歳, 男児例を経験した. 開窓型Fontan術後, 1年10カ月に気管支鋳型状の粘液栓(bronchial cast)をたびたび喀出し, 同時に乳糜胸を合併した. 心臓カテーテル検査で肺血管抵抗と中心静脈圧の上昇を認めた. 肺血管抵抗を低下させる目的で, ボセンタン, シルデナフィルを投与したが, castの喀出と胸水貯留は持続した. プレドニゾロンと内胸動脈から発達した体肺動脈側副血管に対するコイル塞栓術がcastと乳糜胸の消失に有効であった可能性がある. PBと乳糜胸が同時に合併するのは稀で, 同様のメカニズムで発症していることが示唆された.
著者
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川人 智久
国立病院機構香川小児病院心臓血管外科
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江川 善康
国立病院機構香川小児病院心臓血管外科
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寺田 一也
国立病院機構香川小児病院小児科
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寺田 一也
国立病院機構香川小児病院 心臓血管外科
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太田 明
国立病院機構香川小児病院 小児科
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菅野 幹男
国立病院機構香川小児病院心臓血管外科
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宮城 雄一
国立病院機構香川小児病院小児科
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