実験室における特殊空調設備の電力使用量低減に向けた取り組み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2000年初頭から徐々に工学研究科が吉田キャンパスから桂キャンパスに移転を開始し、同時に空調をはじめとする実験設備の新調も進められた。室内温度または温湿度を一定に保つための特殊空調設備は、桂キャンパスCクラスターで13機が稼働している。地下1階のX線分析室を調査対象室(容積117.1 m3、排気風量300 m3/hr、温度20±2 °C、湿度60 %)とし、計測器を用いて1分間ごとの電力使用量を計測した。インバータ制御導入の設備改造を施した後、1日ごとの電力使用量の減少効果を計測した。改造前の空調は、通常モード(Normal operation mode、温度20±2 °C、湿度60%、24時間連続運転)と、温度精度幅がやや大きく設定される省エネモード(Saving operation mode、温度17.20 °C、湿度60%、24時間連続運転)が標準装備されており、この2種の運転モードに対して、湿度制御をOFFとした場合と、24時間連続運転を、12、18時間に短縮した場合とで計測を実施し、インバータ導入前後で電力使用量を比較、検討した。その結果、特殊空調設備における電力使用量低減の為には、インバータ制御導入、加湿器のOFF、制御温度幅の拡大、1日あたりの連続運転時間の短縮、の順で削減効果が高いことが認められた。特にインバータ制御導入後では、電力使用量が通常の運転モードと比較すると25分の1となり、温湿度も良好に制御されていた。大学の実験室で特殊空調設備を新設される際には、維持費としての電力使用量を考慮する必要がある。
著者
-
松井 康人
京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻環境衛生学講座
-
塩田 憲司
京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻
-
楠田 育成
京都大学大学院工学研究科
-
大岡 忠紀
京都大学大学院工学研究科附属環境安全衛生センター
-
橋本 訓
京都大学大学院工学研究科附属環境安全衛生センター
-
橋本 訓
京都大学大学院工学研究科
-
塩田 憲司
京都大学大学院工学研究科技術部
-
塩田 憲司
京都大学大学院工学研究科
-
楠田 育成
京都大学大学院工学研究科技術部
-
松井 康人
京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻
関連論文
- 溶接作業における金属ナノ粒子の化学形態に関する研究 (京都大学環境衛生工学研究会 第32回シンポジウム講演論文集)
- 医学部解剖実習生におけるホルムアルデヒド-ヘモグロビン付加体測定
- 3C1100 大気浮遊粉じん中の元素濃度
- 2I1045 過酸化水素曝露による植物影響
- 酸化チタン光触媒粒子リスク評価のための個別粒子分析
- 2J1030 ホルムアルデヒドーヘモグロビン付加体測定方法の検討
- 二酸化チタンナノ粒子気管内投与後の体内動態
- 下水汚泥焼却施設から排出される微粒子の挙動 (京都大学環境衛生工学研究会 第33回シンポジウム講演論文集)
- 都市ごみ焼却施設から排出される微小粒子へのダイオキシン類除去対策強化による効果
- 循環の道 : 下水道による資源とエネルギーの回収利用
- 実験室における特殊空調設備の電力使用量低減に向けた取り組み
- 作業環境測定士
- 火葬炉からの酸性ガス, 水銀および微小粒子の排出挙動
- 3A1139 ナノ材料を含む製品の使用時・廃棄時の環境中への放出量の推定(1空間-3地区・街区/5物質-4繊維状物質/2手法-4データ解析,一般研究発表)