入院中に心電図所見がストレインパターンへ変化した超高齢心不全の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
92歳, 女性. 呼吸困難のため入院した. 心不全の診断で利尿薬, 非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation; NPPV)などによる治療を開始したが, 呼吸状態が悪化したため, 一時的に挿管下の人工呼吸管理を必要とした. その後, 内服薬の調整により小康状態が得られたが, 摂食障害のため, 胃瘻造設術を施行した. 心エコーでは, 壁肥厚や心尖部肥大型心筋症の所見は認められなかったが, 心電図にてストレインパターンが認められるようになった. 新たに出現した心電図上のストレインパターンは心血管リスクもしくは突然死のリスク増大との関連が報告されているが, 血中NT-proBNPは, 43,540pg/mLから5,097pg/mLへ減少し, 心不全症状は改善していた. 心電図所見と心不全マーカーや臨床経過との間に解離を生じた理由として, 治療による胸水減少などの関与が考えられた. 複数の心血管リスクを予測する因子の経過が解離した場合, 結果の解釈には注意を要する.
著者
関連論文
- 臨牀指針 歯科治療を契機として心室期外収縮が頻発するようになったと考えられた1例
- 研究・症例 同時に肺炎球菌性肺炎を発症した夫婦例
- 臨牀指針 肺腺癌末期の呼吸苦に非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)が有効であった1例
- 入院中に心電図所見がストレインパターンへ変化した超高齢心不全の1例
- 可逆性の心機能低下をきたした悪性症候群の1例