可逆性の心機能低下をきたした悪性症候群の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
57歳, 男性. 頸髄損傷のため施設に入所していた. 肺炎のため, 夜間急病センターを経由し当院に入院したが, 呼吸状態が悪化し, 人工呼吸管理を開始した. 抗菌薬の投与により肺炎が軽快したにもかかわらず高熱が続いた. 以前より内服していたダントロレンを中止したことで悪性症候群を発症したと判断し, ダントロレンを再開したところ解熱した(ここまでは他誌1)にて報告済み) . この症例において, 呼吸状態の悪化時, 心電図上, 前胸部誘導の低電位化を認めたが, 全身状態の改善とともに徐々にR波の回復を認めた. 心エコー図上, 観察されたび漫性壁運動低下の所見も消失した. 悪性症候群では, 心筋梗塞様の心電図変化やたこつぼ心筋症様の左室壁運動異常が報告されているが, それらを伴わない可逆性左心機能低下の形態もとり得ることが示された.
著者
関連論文
- 臨牀指針 歯科治療を契機として心室期外収縮が頻発するようになったと考えられた1例
- 研究・症例 同時に肺炎球菌性肺炎を発症した夫婦例
- 臨牀指針 肺腺癌末期の呼吸苦に非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)が有効であった1例
- 入院中に心電図所見がストレインパターンへ変化した超高齢心不全の1例
- 可逆性の心機能低下をきたした悪性症候群の1例