左側前壁に減衰伝導特性を有する潜在性副伝導路を認めた房室回帰性頻拍の1例
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概要
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74歳, 女性. 2006年頃より1回/月の頻度で動悸発作を自覚. 2009年4月, 動悸を自覚したため当院を受診. 心電図にて, 心拍数185/分のwide QRS regular tachycardia(右脚ブロック型)を認め, ATP急速静注にて洞調律に復した. 右脚ブロックを伴う発作性上室性頻拍の診断にて, カテーテル治療による根治目的に当院へ入院となった. 心室期外刺激では, 心房最早期興奮部位は基本周期600msec, S1S2 430msecまではHisであったが, S1S2 420msec以後はCS1-2となり, CS1-2における室房間隔は110msecから137msecまで徐々に延長し, S1S2 280msecで室房ブロックとなった. 心房期外刺激では, jump upすることなく基本周期600msec, S1S2 320msecにて頻拍が出現. 右室心尖部および右室流出路からの期外刺激では, reset現象は認めなかった. また, 頻拍はATP投与にて再現性を持って室房ブロックで停止した. 心房中隔穿刺後に施行した左室側壁からの期外刺激にてreset現象を認めたことにより, 減衰伝導特性, およびATP感受性を有する, 左側副伝導路を介する房室回帰性頻拍と診断. 頻拍中のマッピングにて左側前壁に最早期心房興奮部位を認め, 同部での通電にて頻拍は停止し, 以後VA伝導は消失した.
著者
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