PSL法による豆類の照射履歴の検知
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概要
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照射した豆類のs-PSL積算発光量は時間とともに緩やかに減少したが,0.5kGy照射し3~6ヶ月保存したものでもs-PSL測定の上限閾値を大きく上回り鉱物質の付着が少ないと考えられる豆類でも照射履歴の判定ができた。低線量を照射される豆の場合も暗所・常温保存されていれば,s-PSL測定で感度も良く照射履歴の判定が可能である。うずら豆や青エンドウ,ひよこ豆は,中国産小豆,緑豆に比べ5倍以上大きいs-PSL発光を持ち,豆の種類による積算発光量の違いが大きかった。また,カナダ産青エンドウと大豆は未照射にもかかわらずs-PSLが下限閾値(700counts)を越えて「照射の疑いあり」の判定を示すが,PSL発光比で再評価することで「未照射」と正しい判定ができた。 照射した豆類のPSL発光比は,豆の色や形,種類に関係なく照射された線量に対応する類似の値を与えた。豆類のPSL発光比の経時変化と線量応答性の情報を蓄積することにより,照射された線量を推定できる可能性があった。
著者
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多田 幹郎
中国学園大学
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本田 克徳
日本放射線エンジニアリング
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萩原 昌司
(独)農研機構食品総合研究所
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関口 正之
(地独)東京都立産業技術研究センター
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中川 清子
(地独)東京都立産業技術研究センター
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柚木 俊二
(地独)東京都立産業技術研究センター
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大藪 淑美
(地独)東京都立産業技術研究センター
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等々力 節子
(独)農研機構食品総合研究所
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