脊髄くも膜下腔カテーテルポートを留置後に髄液漏からカテーテル感染を生じた1例
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概要
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くも膜下鎮痛法に合併した遅発性髄液漏により皮膚障害を生じ,カテーテル感染に至った1例を報告する.57歳の男性.直腸がん術後再発による左下肢痛に対し,くも膜下鎮痛法を行った.硬膜外腔カテーテルポートを代用し,硬膜外針で硬膜を穿刺後,カテーテルをくも膜下腔に留置した.良好な鎮痛が得られたが留置8週間後に髄液漏で皮膚障害を生じ,9週間後,経皮的にカテーテルが感染し抜去した.現在,髄液漏に対する確立された治療法はないが,本症例では感染を防ぐために入院下でより積極的な髄液漏対策を行うべきだった.また,髄液漏のリスクを最小に抑える専用デバイスの開発が,感染リスクの軽減に必要である.
著者
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後藤 隆久
横浜市立大学 医学部生体制御・麻酔科
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小川 賢一
横浜市立大学 医学部生体制御・麻酔科
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新堀 博展
横浜市立大学 医学部生体制御・麻酔科
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太田 周平
神奈川県立がんセンター緩和医療科
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原田 紳介
神奈川県立がんセンター緩和ケア内科
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寺田 祥子
横浜市立大学附属病院麻酔科
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