施設内アンチバイオグラムを用いた緑膿菌に対する抗菌薬の適正使用
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概要
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当院では,2006年1~6月におけるカルバペネム系薬に対する緑膿菌の耐性率がmeropenem(MEPM) 15.4%, imipenem(IPM) 25.7%と,全国サーベイランスと比し高い傾向にあった.その為,2008年より病棟・診療科単位の緑膿菌の耐性率および多剤耐性緑膿菌(MDRP)の発生状況を調査することを目的に施設内アンチバイオグラムを作成した.その結果,ICUにおいてカルバペネム系薬に対する緑膿菌の抗菌薬耐性率が高いことが判明した為,ICUに限り同系抗菌薬の使用制限を指導し,緑膿菌の感受性が良好であったpiperacillin(PIPC)およびtazobactam/piperacillin(TAZ/PIPC)の推奨を行った.あわせて,病院全体に感染経路対策を実施した.その結果,2009年7~12月におけるMEPMおよびIPMの耐性率はそれぞれ6.1%, 7.9%に有意に低下した.一方,PIPCについては使用量増加に伴い緑膿菌の抗菌薬耐性率の上昇する傾向が認められた.抗菌薬の系統にかかわらず過度な使用促進は,耐性率上昇の原因となる可能性が示唆された.施設内アンチバイオグラムを用い,緑膿菌の抗菌薬耐性率の推移を把握するとともに,使用抗菌薬の監視体制を整備し抗菌薬の適正使用の指導と感染経路対策を推進することで,耐性率の改善が得られたので報告する.
著者
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上地 隆史
在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院 インフェクションコントロールチーム
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寺沢 匡史
在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院 インフェクションコントロールチーム
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吉村 真弓
在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院 インフェクションコントロールチーム
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森本 一平
在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院 健康管理増進センター
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端野 琢哉
在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院 集中治療科
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