有明海西岸域におけるVibrio vulnificusの分布
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概要
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有明海沿岸は<I>V. vulnificus</I>感染症が多く報告される地域である。本研究では,有明海および有明海に注ぐ船津川ならびにその河口付近の海域における<I>V. vulnificus</I>の分布と環境特性との関係を明らかにすることを目指した。有明海沿岸では,本菌は水温25℃を超える夏季に平均2-4 Log MPN/100 mLで生息するが,2006年夏季に海水の塩分が低下(3-23 psu)した際には,高密度(4.4-6.4 Log MPN/100 mL)で出現した。船津川では,塩分が8-28 psuの範囲を示す河口から河川感潮に本菌は恒常的に存在し,夏季に2-4 Log MPN/100 mLに達した。これらの結果から,汽水の塩分範囲となる河口域に恒常的な<I>V. vulnificus</I>の生息場が存在し,夏季の高水温と長期間の降雨により本菌の増殖に適した高温かつ低塩分環境が拡大することが示唆された。
著者
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山崎 省吾
長崎県環境保
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右田 雄二
長崎県環境保健研究センター
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中村 まき子
長崎県環境保健研究センター
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高藤 美和子
長崎県環境保
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吾郷 昌信
長崎県環境保
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和田 実
長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科
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吾郷 昌信
長崎県環境保健研究センター
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西山 雅也
長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科
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