SIADHで発症し,頸髄に短い非連続性の偏在性病変を認めたNMO spectrum disordersの高齢男性症例
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概要
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症例は79歳男性である. 脳梗塞と抗利尿ホルモン分泌異常症候群 (SIADH) の既往を有しており, 四肢の脱力, 感覚障害 (C4以下に右半身優位の温痛覚障害あり), 膀胱直腸障害が出現したため当科に入院した. 眼科的に異常所見はみられなかった. 頸髄MRIでは, C3, C4, C5/6レベルに大小の偏在性病変を認めた. 血液検査でNMO-IgG陽性であったことからNMO spectrum disorders (NMOSD) と診断した. ステロイドパルス療法を施行し症状は軽度改善した. 本症例のように高齢発症で, 短い, 非連続性, 偏在性の脊髄病変を来し得るNMOSD例もあり, 診断に際し注意が必要であると考えられた.
著者
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古田 夏海
群馬大学大学院脳神経内科学
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岡本 幸市
群馬大学大学院医学研究科脳神経内科学
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水野 裕司
群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学
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池田 将樹
群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学
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高田 しのぶ
群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学
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古田 夏海
群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学
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