二相系格子ボルツマン法によるせん断流れ場における微粒子分散化過程の数値計算(直径比0.5の場合)
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概要
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直径比0.5の大粒子および小粒子からなる微粒子凝集体のせん断流れ場における分散化過程を二相系格子ボルツマン法を適用した数値シミュレーションにより調べた.粒子間相互作用としてファンデルワールス力を仮定した.また,ブラウン運動の効果を調べるために各粒子にブラウン揺動力を作用させた.粒子に作用する流体力および粒子間力を種々に変化させた計算を行った.計算結果から,せん断流による流体力と粒子間最大引力との比Y11(小粒子間),Y12(小粒子–大粒子間),およびY22(大粒子間),ならびにせん断流による移動速度と自己拡散による移動速度の比(P残let数)Pe1(小粒子),およびPe2(大粒子)が分散化において重要なパラメータであることがわかった.すなわちYmax(Y11, Y12およびY22の最大値)が0.002より大きい場合に分散化する.Ymin(Y11, Y12およびY22の最小値)も0.002より大きい場合には個々の粒子に至るまで分散化する.ブラウン粒子の分散化過程と,ブラウン運動を考慮しない粒子の分散化過程を比較すると,ブラウン運動は小粒子の分散化を抑制するが,大粒子の分散化を促進することがわかった.ブラウン運動の効果はP残let数が104より小さい場合に顕著である.得られた結果を同じ大きさの微粒子からなる凝集体の分散化(単分散)の場合(Nishiyama et al., submitted)と比較すると,分散化に必要なYの値はほぼ同じであることがわかるが,ブラウン運動の効果は単分散系の場合と異なり,ブラウン運動は分散化を抑制する(小粒子)だけでなく,分散化を促進をもする(大粒子)ことがわかった.
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