実装置でのFCC触媒性能を推定するための循環流動層型反応システムモデル開発
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概要
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流動接触分解(FCC)プロセスは,廉価な重質留分をガソリンなどの白油へ効率良く分解する装置として,さらには石化原料などの有用成分を生産する装置として着目されている.技術的なアプローチとして必要なのは,重質分子から反応を制御し,有用な成分を選択的に生産するための技術である.特に,当装置にかかる原料,使用する触媒,運転条件について,有効となる因子を見出し,一般化することが必要である.本研究では,その一環として,重油流動接触分解触媒の被毒金属による劣化に関する検討を行った.結果,検討範囲の濃度では,被毒金属量に対して,一定の割合で活性が低下することが明らかとなった.物性評価から,この劣化はゼオライトの脱アルミによる劣化が主であることが明らかとなった.先報の結果と合わせ,重油流動接触分解触媒の活性は,水熱条件(温度,スチーム濃度,時間)と被毒金属量で表現できることが示唆された.これらの実験結果を用い,実装置でのFCC触媒性能をシミュレーションできる循環流動層型反応システムモデルを開発し,実装置での再生条件が触媒劣化に与える影響を定量的に評価した.
著者
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