重油流動接触分解触媒の劣化挙動の解明 : 水熱処理の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
流動接触分解(FCC)プロセスは,重質留分の分解の役割を効率良く果たす装置として,今後は石化原料などの有用成分を生産する設備として着目されている.技術的なアプローチとして必要なのは重質分子から反応を制御し,有用な成分を選択的に生産するための技術である.特に,当装置にかかる原料,使用する触媒,運転条件について,有効となる因子を見いだし,一般化することが必要である.本研究では,その一環として,重油流動接触分解触媒の水熱劣化に関する検討を行った.結果,水熱処理初期段階に大きな劣化が起き,長時間の処理後は徐々に劣化することが明らかとなった.物性評価から,水熱処理初期段階で脱アルミが起き,この脱アルミによって,ゼオライト細孔構造の崩壊によってメソ+マクロ細孔が形成している様子が確認できた.脱硫重油の分解反応評価を行うと,この初期の水熱劣化過程においては,著しいコーク生成が起こっていたものが,その後は抑制されることが確認できた.また,ガソリンの過分解も抑制され,その後は,ガソリン収率は低下した.この現象はゼオライト全体的に徐々に脱アルミが起きるためと考える.また,その過程で比表面積も小さくなり,その水熱処理条件にて安定な状態に収束すると考察する.
- 2011-11-20
著者
関連論文
- 減圧軽油の水素化処理プロセス : 間接脱硫, マイルドハイドロクラッキングプロセス
- 特集「流動接触反応技術の新たな展開」によせて-最近の動向と展望
- 直脱/RFCCの組み合わせとガソリンの低硫黄化
- 重油流動接触分解触媒の劣化挙動の解明 : 水熱処理の影響
- 実装置でのFCC触媒性能を推定するための循環流動層型反応システムモデル開発
- ベータ型ゼオライトを触媒添加材として用いた重質油接触分解での多次元反応制御
- 実装置でのFCC触媒性能を推定するための循環流動層型反応システムモデル開発