妊婦並びに新生児血中17-Hydroxycorticosteroids値に関する研究
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概要
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妊娠時の尿中17-OHCSについては増量するとなす多くの報告をみるが血漿中のものについては詳らかではない.我々のPetersonらの方法の成績では, 妊娠月数の進むと共に血漿17-OHCSは増量し, 特に晩期に於ては正常非妊婦 (12.9士2.93μg/dl) の3~4倍 (34.5士4.42μg/dl) もの値を示すのをみた.又, 正常分娩時母体血においては, さらに増量を初め, 初産婦は62.0士9.51μg/dl, 経産婦では42.5土4062μg/dlと副腎皮質機能に充分な予備能力のあることを認めた.臍帯血はともに母体血値より低値を示し, 胎盤の何らかの功妙な作用によるものと思はれた.妊娠時血漿17-OHCSの漸次増量する主な原因を追求するために, 去勢婦人にEstradiol benzoateを投与した結果, 3日後には投与前値の約4倍の値を示し, 妊娠時のEstrogen増量の意義を裏付ける結果をえた.更に, 妊婦にEstradiol bcnzoateを投与した場合も有意の差をもつて増量をみたが, 去勢婦人に見られた程の増量は認められなかつた.
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文
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