グローバル気候変動と新第三紀の終わり/第四紀の始まり:石灰質ナンノ化石層序から
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概要
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第四紀の始まりの改定に関する諸問題を石灰質ナンノ化石層序の観点から総括した.微化石による地質年代決定精度の向上は,温暖化/寒冷化の問題を汎世界的な詳細な対比に基づいて議論することを可能にしたばかりでなく,寒冷化と第四紀の始まりに関する問題を極めて具体的に明らかにすることを可能にした.結果として,汎世界的な寒冷化は,その直前の温暖期に引き続く事件であり,いずれもパナマ地峡の成立による海洋システムの変化が“Climate Crash”を引き起こし,石灰質ナンノプランクトンや浮遊性有孔虫の地理分布の完成と現在の海洋システム,すなわち“Quaternary style Climate”が成立したことを示している.その観点からすると,第四紀の始まりを, Climate Crashに最も近いジェラシアン階基底で第四紀の始まりを定義することは,極めて妥当であると言える.
著者
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佐藤 時幸
秋田大学大学院工学資源学研究科地球資源学専攻
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佐藤 時幸
秋田大学大学院工学資源学研究科
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千代延 俊
地球環境産業技術研究機構
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ファリーダ メウティア
秋田大学大学院工学資源学研究科応用地球科学教室
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