異なる波長の黄色LED照射条件下におけるオオタバコガの夜間飛翔行動の解析
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概要
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省電力,長寿命,水銀レスとして今後の夜間照明による防蛾への運用が期待されている黄色LED(Light Emitting Diode)を用いて,異なる波長(Ly-LED:中心発光波長570 nmで黄色蛍光灯と同様の広波長域を持つ一般照明用,Am-LED:中心発光波長595 nmの狭波長の特殊タイプ)と異なる照度(1.2 mW/m2,19 mW/m2および47 mW/m2)での夜間照射による,オオタバコガHelicoverpa armigera(Hübner)の暗期飛翔活性を比較検討した.その結果,全LED照射区において無処理と異なる飛翔活性がみられたことからLED夜間照射の波長および照度がオオタバコガの飛翔活性に影響を及ぼしていることが確認された.また,19 mW/m2のLy-LED照射区の飛翔活性が最も低く,無処理の飛翔活性ピークがみられた2~3日齢で飛翔が抑制されたことから,19 mW/m2のLy-LED照射は飛翔活動の抑制効果が最も高いと考えられた.この19 mW/m2のLy-LED照射により羽化1~5日齢で暗期開始からの摂食による飛翔活動が抑制された.暗期後半のコーリングまたは産卵行動に随伴する活発な飛翔活動は3日齢まで著しく抑制された.しかし,4~5日齢の暗期後半の飛翔活性が徐々に高まったことから,連日のLED夜間照射に対してオオタバコガはLED照明に「慣れ」現象が生じることが示唆された.
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