第4度会陰裂傷発症に関するリスク因子の検討
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概要
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当センターで生じた第4度会陰裂傷とそのリスク因子を検討した.2008年1月から2011年3月までの分娩症例1364例のうち,正期産,単胎,頭位,経腟分娩で生児を得た984例に関して検討した.第4度会陰裂傷を発症したものは,984例中14例(1.4%)であった.第4度会陰裂傷の独立したリスク因子であったものは,初産(OR 11.1: 95% CI 1.4-90.9),吸引・鉗子分娩(OR 5.0: 95% CI 1.6-15.8),男児分娩 (OR 4.8: 95% CI 1.01-22.4),会陰正中切開(OR 4.1: 95% CI 1.3-13.2)であった.会陰正中切開,初産,吸引・鉗子分娩などの既知のリスク因子に加え,男児分娩が第4度会陰裂傷の独立したリスク因子である可能性が示された.出生児の体重,頭囲,胸囲の増加は単独ではリスク因子にならなかったが,性別の違いはこれらの要素が複合的に組み合わさるため,独立したリスク因子として成立する可能性がある.〔産婦の進歩64(3):295-299,2012(平成24年9月)〕
- 近畿産科婦人科学会の論文
著者
-
竹村 昌彦
大阪府立急性期・総合医療センター
-
中島 紗織
大阪府立急性期・総合医療センター
-
小西 恒
大阪府立急性期・総合医療センター
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角田 守
大阪府立急性期・総合医療センター
-
宇垣 弘美
大阪府立急性期・総合医療センター
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古元 淑子
大阪府立急性期・総合医療センター
-
北井 俊大
大阪府立急性期・総合医療センター
-
角田 守
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
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古元 淑子
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
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小西 恒
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
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北井 俊大
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
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中島 紗織
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
-
松崎 慎哉
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
-
宇垣 弘美
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
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竹村 昌彦
Department of Obstetrics and Gynecology, Osaka General Medical Center
-
松崎 慎哉
大阪府立急性期・総合医療センター産婦人科
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