希薄高分子溶液の粘性理論に対する新しいアプローチ
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概要
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いままでの希薄高分子溶液の粘性理論では溶媒を粘性流体とみなしてきたが,Pearl-Necklace模型を用いるとき溶媒分子の大きさとビーズの大きさがほぼ等しく,溶媒を粘性流体とみなすことは適当でない。また剛体球模型を考えるとき球の内と外とを,球が一回転する間に溶媒分子が熱運動により出はいりしていることが予想され,剛体球模型も額面通り高分子内に溶媒分子がトラップされたと考える模型は適当でない.本稿では溶媒とセグメント(要素)を分子のオーダーで考え,それぞれの相互作用と分布関数の時間変化をもとに巨視的運動方程式をつくり粘度式を求める新しいアブローチについて解説し,良溶媒系に適用するとStaudingerの粘度式がすなおに求められることを示す.また,いままでに求められている粘度式[η]=KMa<SUP>α</SUP> と [η]=AM<SUP>1/2</SUP>+BM が簡単な仮定より導かれる。
- 社団法人 高分子学会の論文
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