当院繁用漢方製剤中の電解質濃度についての検討
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概要
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当院繁用の漢方製剤中の電解質濃度 (Na, K, Cl) を測定し, 臨床的問題について考察した。被検試料は葛根湯, 八味地黄丸, 大柴胡湯, 小柴胡湯, 柴胡加竜骨牡蠣湯, 半夏瀉心湯, 小青竜湯, 小半夏加茯苓湯, 当帰芍薬散, 加味逍遥散, 桂枝茯苓丸, 麦門冬湯, 十全大補湯, 柴朴湯, 温経湯, 牛車腎気丸, 柴苓湯である。電解質は各製剤の蒸留水溶解液を自動分析装置で測定した。各製剤中NaとCl濃度は極めて低濃度であった。K濃度 (mEq/L) は0.18〜0.83であった。比較的低含量であったのは小半夏加茯苓湯 (0.18), 桂枝茯苓丸 (0.24), 麦門冬湯 (0.34) で, 比較的高含量であったのは小青竜湯 (0.83), 半夏瀉心湯 (0.79), 牛車腎気丸 (0.76), 十全大補湯 (0.76) であった。したがって, 今回測定の漢方製剤は他の摂取食品とのバランス, 漢方製剤の減量投与などの考慮をすれば腎障害患者でもあまり問題はないと思われる。
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