東洋医学と西洋医学の接点に関する病理解剖学的・統計学的研究 (1) : 脳に主病変があった92剖検例における副病変の拡がり
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概要
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脳に主病変のある剖検例92例の副病変が, 「いわゆる五臓六脈」の機能系に対応する構造系の7つの臓器・組織群に分布する頻度をX2検定法で統計学的に比較した。その結果, 中医学の「いわゆる肺」・呼吸機能系に対応するI群臓器・組織の副病変が最も頻度が高く, それはV群, III群・II群と統計学的検定で有意差がなかった。「いわゆる肝」に対応するIV群の臓器・組織の副病変頻度は最も少なく, 「脳髄」に対応するVII群以外のいずれの群の副病変頻度とも有意差があった。これらの統計的解析は脳疾患と全身諸臓器の副病変との密接な相関を示し, 中国伝統医学の洞察 (心身一元) が現代医学の進歩に照らしても的を射ていることを示唆した。
- 社団法人 日本東洋医学会の論文
著者
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中川 定明
圓クリニィク・東西医学研究会
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中川 定明
Kawasaki Medical School
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酒井 恒美
Kawasaki College of Allied Health Professions
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