日本人糠尿病患者の若干の中医学的特徴 : 糖尿病の中西医結合の検討 (1)
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概要
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日本人糖尿病 (DMと略) 130例について中医学的な証候を検討し, それと本症例群の一般状態, 初診時の合併症, 臨床検査成績などとの関係を推計学的に検討し, 次の成績を得た。1. DMの早期は傷陰である。2. 男性では易生湿, 女性では易傷陰である。3. 高血圧症を合併している場合はより傷陰で, 高コレステロール血症を合併している場合は湿邪の出現頻度が有意に少なかった。4. 飲酒は助湿, 喫煙は傷陰, 喫煙, 飲酒共にすれば, 湿邪と熱邪の同一症例に同時出現の頻度は有意に多かった。以上のように, DMにおいては, 早期には傷陰, 女性では易傷陰, 高血圧症合併の場合はより傷陰, 喫煙によっては陰虚の出現率が有意に多かった。したがってDM治療においては護陰滋陰が始終重要であり, 早期からこれに注目して対処することがDMの治療およびその合併症の予防・治療上重要と思われる。
- 社団法人 日本東洋医学会の論文
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