好アルカリ性Bacillus属細菌の産生するcAMP依存性プロテインキナーゼ特異的阻害活性物質
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概要
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一般の細菌と大きく性状の異なる好アルカリ性Bacillus属細菌の菌体抽出物より,cAMP依存性プロテインキナーゼ(Aキナーゼ)阻害活性物質が得られた。この阻害活性物質は,菌体破砕液を60%エタノールで処理し,その抽出液を陰イオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過クロマトグラフィーにより精製された。これらの操作により得られた,精製阻害活性物質は,100C, 10分間の加熱に対しても安定な,分子量1万3千のペプチド性物質であつた。この阻害活性物質は,Aキナーゼに対して高い特異性を示した。さらに,Aキナーゼに対する阻害機構について検討を行つたところ,Aキナーゼの4量体が酵素活性発現に伴い,2個の触媒サブユニットと2量体の調節サブユニットへ解離する段階に作用していた。この阻害活性物質は,細菌より得られたペプチド性の高分子物質で,その性状,阻害様式ともに従来の阻害剤とは大きく異なつていた。このAキナーゼ特異的阻害活性物質について,CHO細胞を用い,Aキナーゼを介した細胞増殖抑制に及ぼす阻害活性物質の影響を検討した。その結果,阻害活性物質はCHO細胞の増殖抑制にまつたく影響を及ぼさなかつた。
- 日本細菌学会の論文
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