Bacteroides のゲノム構造
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概要
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Bacteroides 属はヒト大腸に常在する偏性嫌気性グラム陰性桿菌であるが, 易感染宿主に腹腔内膿瘍や敗血症を起こす日和見感染菌でもある。Bacteroides 属の中で最も病原性が強いのがB. fragilis であり, 莢膜多糖は本菌種の最も重要な病原因子と考えられている。Bacteroides 属は一つの菌株が多種類の莢膜多糖を合成するという他の菌種にはない特徴を有している。また, B. fragilis が個々の莢膜多糖の発現を promoter 領域のDNA inversion により調節し, 複雑な表層抗原性を創り出していることが明らかになっている。Bacteroides 属のヒトに対する病原性や大腸における定着状態は菌種間で異なっている。このような差異の源となる Bacteroides 各菌種のゲノム構造の違いを理解するため, 我々が決定したB. fragilis YCH46株の全ゲノム配列解析について概説するとともに, 近縁菌種であるB. thetaiotaomicron の全ゲノム配列との比較により明らかとなってきた Bacteroides 属のゲノムの特徴について述べたい。
- 日本細菌学会の論文
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