ヒトC反応性タンパクによる肺炎球菌C多糖体に対するマウスの抗体応答の阻止効果
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概要
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肺炎球菌細胞壁C多糖体に対する抗体応答におよぼすヒトC反応性タンパク(CRP)の影響をマウスで検討した。マウスはホルマリンで処理されたStreptococcus pneumoniae serotype 3で免疫され,肺炎球菌細胞壁C多糖体(CPS)に対するIgM応答が脾のplaque forming cells (PFC)および血清血球凝集抗体で測定された。免疫30分前での200μgのCRP投与は免疫後4日目で観察されたPFC応答のピークを90%以上も減少させた。またこれに一致して血清抗体価の低下も認められた。阻止に必要とされる最少CRP量は50μgであつた。免疫前6時間での200μgのCRP投与は30分での投与と同様にCPSに対するPFC数を50%まで阻止したが,投与量の95%が血中より消失する24時間でのその投与は阻止効果を示さなかつた。一方,CRPは肺炎球菌3型莢膜多糖体に対するPFC応答にはほとんど影響を示さなかつた。CRP による阻止メカニズムを調べるため,マウスはCPSあるいはphosphocholine (PC)でコートされたウマ赤血球(HE)で免疫されCPS, PCあるいはHEに対するPFC応答が評価された。CRP処理はHEに対するPFC応答を変化させることなく,CPSあるいはPCに対する応答を阻止した。これらの結果はCRPが細菌あるいは血球上に存在する抗原決定基をmaskingすることにより免疫を妨げることを示している。
- 日本細菌学会の論文
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