血小板由来殺菌性物質の放出機構に関する研究
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概要
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ウサギ血小板からの耐熱性殺菌性物質β-lysinの細胞外への放出機構について追究し,以下の諸成績が得られた。1) platelet-rich plasma (PRP),洗浄血小板をmicrofilamentに作用するcytochalasin Bで処理し,inducerとしてIgGでcoatしたlatex粒子,血清で処理したzymosan粒子およびimmune complexes,さらにCa++を添加すると,β-lysinの細胞外への放出が著しく増大し,同時にlysosome酵素の放出も増大されたが,LDH活性は増大されなかつた。2) このβ-lysin, lysosome酵素の血小板からの放出はcAMP, colchicine, EDTAの処理にによつて阻害されたが,cGMP, trypsin処理したモルモット補体成分のC5, C3の添加によつて増大した。以上の諸知見からして,血小板からのβ-lysinの放出は,latex, zymosanなどの微粒子,immune complexesなどが放出作用を促進するが,cyclic nucleotidesの細胞内レベルによつて調節され,補体成分としてC5, C3およびIgGが関与し,Ca++が促進作用をもち,さらにmicrofilaments, microtubulesも重要な役割を演じているものと結論される。
- 日本細菌学会の論文
著者
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石橋 昭
元日本大学医学部微生物学教室
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石橋 昭
日本大学医学部微生物学教室
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石橋 悌子
日本大学医学部微生物学教室
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蛭間 哲雄
日本大学医学部微生物学教室
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内山 秀彦
日本大学医学部微生物学教室
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持田 日出雄
日本大学医学部微生物学教室
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