マクロライド系抗生物質感受性に表われた野兎病菌株の地域的特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本の各地で分離された94株の野兎病菌及び米国,中国,ソ連,欧州などで分離された18株の野兎病菌株を用いて種々の抗生物質に対する感受性を調べ次の結果を得た。すべての菌株はpenicillin, cephalosporin C, polypeptide系抗生物質に対しては一様に抵抗性を示すが,tetracycline, chloramphenicol, aminoglycoside系抗生物質に対しては高い感受性を示す。一方macrolide系抗生物質に対しては感受性を異にする二つの群に分類される。すなわち日本,米国,中国及びイタリーで分離された菌株はすべて感受性を示すのに対し,ソ連,ブルガリア,オーストリアで分離された菌株はすべて耐性菌に属している。以上の結果から,野兎病菌のerythromycin感受性が,分離菌株の地理的分布を反映するというKudelinaとOlsufjevの観察は,多数の日本株及び欧米株を使用して行われた本実験によつて一層確実にされたと思われる。
- 日本細菌学会の論文
著者
関連論文
- 宮城県川渡農場でのへい死ノウサギ寄生マダニからの野兎病菌分離例と放牧牛の血清抗体調査
- B-11 日本におけるマダニ類からの野兎病菌の検出状況(マダニ)
- HVJによる細胞融合
- 野兎病患者における免疫グロブリンの産生経過
- マクロライド系抗生物質感受性に表われた野兎病菌株の地域的特性
- Bacteriological studies of the feces from methane-producers and nonproducers in the expired air.