最近分離した百日咳菌の諸性状について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1973年3月から8月にかけて,新潟県内の患者から分離された3株の百日咳菌について,その諸性状を試験した。その結果,I相菌およびIII相菌各免疫血清による凝集反応および培養性状では,東浜I相株と同様の性状であつた。K因子血清による同定では,3株とも血清型1, 3, (6)であつた。易熱性毒素,マウス体重減少毒性,ヒスタミン感作因子および白血球増多因子の活性など各種生物活性試験の結果は,東浜I相株とほぼ同程度の活性を示した。分離株で作つたワクチンと,東浜I相株(K血清型1, 2, 4)で作ったワクチンとのマウス感染防御試験の結果は,18-323株の攻撃に対してどちらもほぼ同程度の力価を示した。分離株の抗生物質感受性は,平板希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)で,ペニシリンG1,ポリミキシンB2,コリスチン2,(以上U/ml),アミノベンジルペニシリン1.25,セファロリジン12.5,セファゾリン12.5,ストレプトマイシン10,カナマイシン12.5,テトラサイクリン0.25,クロラムフェニコール0.5,エリスロマイシン0.05(以上μg/ml)であつた。