戦後家族社会学の展開とその現代的位相
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概要
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本稿の目的は,本テーマセッションの課題である過去20年の家族社会学の展開の全体的な見取り図を提示することにある。日本家族社会学会設立の胎動がはじまっていた1980年代の後半から現在に至るまでの約20年間は,戦後家族社会学が依拠してきた核家族パラダイムないしは集団論パラダイムがその説明力を低下させたことが明らかとなり,そこからの脱却をはかり,それにかわる新たなパラダイムを模索した20年だった。それまでが,組織面でも研究面でも求心力のある時代だったとすると,この20年はその両面でさまざまな路線の分岐があり拡散する方向に進んだ20年だったといえる。本稿では,その見取り図を,過去20年間の家族社会学の組織面と研究面の両面から描くことにする。組織面と研究面の課題にこの20年間でどのように応えてきたのかを回顧することで,「家族社会学の今」の状況と課題を検討する視点を提供したい。
著者
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