高等学校森林・林業系学科の教育実践と地域づくりの担い手形成
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概要
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後期中等教育段階で森林・林業教育を担う高等学校森林・林業系学科は, 生徒数の減少などを理由に統廃合を含めた再編が相次ぐ中で, 教育目標やカリキュラムの見直しなど学科教育の再構築を進めている。本稿では, こうした転換期における森林・林業系学科の学校づくりの方向性を探るため, 目下重要な政策課題となっている森林地域の「地域再生」に着目し, 地域づくりに果たす同科の役割について検討した。鳥取県立智頭農林高等学校の学校づくりとその設置地域である智頭町の地域づくりの展開過程から, 第1に, 地域 (町行政, 住民) が林業・木材産業の振興を軸とした地域づくりの拠点の一つとして高校を意識的に位置付け, 学校側もその期待・要望に応えていく中で両者の結び付きが強まりつつあること, 第2に, インターンシップや学校開放などを通じて, 地域づくりの担い手の形成に高校が積極的に関与していることが明らかとなった。地域の中における森林・林業系学科の存在価値は, こうした地域づくりの担い手を育てる教育実践の協働的な展開を通じて高まっていくものと考えられた。
著者
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