広葉樹9種がパッチワーク状混植された林分の植栽後30年間の成績
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概要
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広葉樹9種の各樹種が等間隔に5列・5行でそれぞれ25本ずつのかたまり (パッチ) で植栽され, 異なるパッチを混ぜてパッチワーク状に混植された林分を調査し, この混植方法が混交林の造成に有効かどうかを検討した。一辺が7.0 mのパッチからなる植栽密度が5,000本/haのプロット, パッチの一辺が5.0 mの10,000本/haのプロット, パッチの一辺が2.5 mの40,000本/haのプロットがある。平均樹高は高い順にシラカンバ, ウダイカンバ, エゾヤマザクラ, ハリギリ, カツラ, ミズナラ, シナノキ, イヌエンジュ, キハダであった。カンバ2種とハリギリ, カツラはすべてのパッチが残存していたが, エゾヤマザクラ, イヌエンジュ, ミズナラ, シナノキ, キハダでパッチが消失した。樹高の高い樹種はパッチ内の植栽木がそのパッチの林冠を占有しかつ他のパッチへ樹冠がはみ出していたが, 樹高が低い樹種のパッチの林冠の大部分は, 他のパッチからはみ出してきた樹冠が占有していた。パッチワーク状混植は混交林の造成に有効であるが, パッチを49 m2よりも大きくするか, パッチとパッチの間に植栽しない空間を設けるなどの工夫が必要である。
著者
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中川 昌彦
北海道立総合研究機構林業試験場道東支場
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蓮井 聡
北海道立総合研究機構林業試験場
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石濱 宣夫
北海道立総合研究機構林業試験場
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大野 泰之
北海道立総合研究機構林業試験場
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八坂 通泰
北海道立総合研究機構林業試験場
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