施設園芸の主要害虫に対するオオメカメムシおよびヒメオオメカメムシ(カメムシ目:オオメカメムシ科)の捕食量
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概要
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広食性天敵オオメカメムシおよびヒメオオメカメムシの3齢および5齢幼虫にナミハダニ雌成虫,ミカンキイロアザミウマ2齢幼虫,ワタアブラムシ無翅成虫,およびオオタバコガの卵または孵化直後の1齢幼虫を個別に異なる密度で与えて24時間当たり捕食数を比較するとともに,その結果から各餌種に対する最大捕食量を比較した.オオメカメムシの3齢幼虫にナミハダニまたはワタアブラムシを与えた場合を除くすべての捕食者種,捕食者の発育ステージおよび餌種の組み合わせにおいて,異なる餌密度区におけるオオメカメムシおよびヒメオオメカメムシの捕食数は有意に異なった.また,3齢幼虫ではミカンキイロアザミウマ2齢幼虫またはオオタバコガ卵を与えた場合,5齢幼虫ではミカンキイロアザミウマ2齢幼虫以外の被食者を与えた場合に,オオメカメムシではヒメオオメカメムシよりもそれぞれ高い餌密度で最大捕食量に達した.各餌種に対するオオメカメムシおよびヒメオオメカメムシの最大捕食量は3齢幼虫よりも5齢幼虫で多く,その傾向はオオメカメムシでより顕著であり,5齢幼虫ではいずれの餌種に対してもオオメカメムシがヒメオオメカメムシよりも多く捕食した.ミカンキイロアザミウマまたはオオタバコガ卵を与えた場合には,3齢および5齢幼虫いずれにおいてもオオメカメムシがヒメオオメカメムシよりも多く捕食した.以上の結果から,最大捕食量を基準とした捕食能力の観点からは,数種類の害虫に対する生物的防除資材としてオオメカメムシがヒメオオメカメムシよりも有望と考えられた.
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