ラットに対するプラーク形成と齲蝕発生に対するDextranase (Chaetomium gracile由来) の抑制作用について
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概要
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<I>Chaetomium gracile</I>由来のα-1, 6 glucanase, いわゆるDextranase (DX) の歯科領域での応用性の見地から, 併用薬剤として, Sodium lauryl sulfate (SLS) およびSorbic acid (SA) を選出し, plaqueおよびcaries抑制効果を検討した。特に本研究は, 上記3薬剤の単独並びに併用効果が検出できるよう, 完備乱塊法による6群の実験を配置し, 1群9匹のラットを用いて, plaque sroreおよびcaries scoreにより薬剤投与効果を評価するとともに, 両scoreの相関性についても検討を加え, 次の成績を得た。<BR>1 plaqueについて, DX投与群は無投与群に対し, 統計的に有意な差をもって (p<0.01) plaque抑制効果を認めた (抑制率30.8%)。しかし, SLSおよびSA投与群には効果は認められず, しかも両薬剤はむしろDXとの併用で阻害傾向を示していた。これらの結果は, cariesに対しても全く同様であった (抑制率44.6%)。<BR>2. 特に, 上記成績を部位別因子との関連でみると, plaqueおよびcaries発生量の高い順から下顎>上顎, 右側=左側, 第1臼歯>第2臼歯>第3臼歯であったが, DX投与群の効果は, いずれの部位から分析的にみても, 無投与群を上まわっていた。<BR>3. plaque scoreとcaries scoreとの相関性については, ラット1個体当りのデータ (n=54) を使った面からの相関, および部位別データ (n=72) を使った相関のいずれも, 有意の相関性が認められた (p<0.01)。<BR>以上の成績からDextranaseは, 直接にはplaqueに作用するものであるが, cariesに対しても予防的に十分作用し得る薬剤であることが推論された。
著者
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