PMA検査における個人差について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
われわれは数年来, 児童生徒の歯肉炎の疫学的調査を行なつてきたが, 歯肉炎の判定がある程度主観的にならざるを得ず, 個人差のみられることをしばしば経験した。そこで, PMA検査における個人差の程度を調査し, 各個人の傾向を知ることにより, われわれのグループの調査成績内容の判定に役立てるとともに, 他のグループの調査成績との比較がはたして有意義であるかを検討した。<BR>81名の児童生徒を対象にして5名の検査者が, あらかじめPMAの判定を一致させるための訓練を行なわず, ただ討議のみで独自に検査を行なつた。<BR>その結果, PMA検査成績には著しい個人差が認められ, 各検査者により前歯部に多いもの, 上顎に多いものなど個人的な特徴が認められた。また, 経験の豊富な検査者の検査成績は比較的安定していた。しかし, われわれの調査成績と他の人々の調査成績とを比較する場合には, 個人差の大きいこと, 各検査者により特徴があることなどから細心の注意が必要と考えられる。
- 有限責任中間法人 日本口腔衛生学会の論文