メタアクリル酸亜鉛の重合挙動
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概要
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ゴム(HNBR, NBR)/メタアクリル酸亜鉛/過酸化物系でのメタアクリル酸亜鉛の重合挙動および引張強さを測定した.重合率はゴムの種類への依存性は小さく主として過酸化物濃度に依存する. 過酸化物濃度の増大とともに増大するが, 90%以上になると過酸化物濃度依存性は小さい. グラフトポリマー数はNBRでは未反応Zn(MAA)2の対数に逆比例して増大し, 80%重合率ではHNBRの4.6倍であった. また, HNBRは重合率80%まではわずかなグラフト量で80%を超えると急激に増大する. 生成するポリメタアクリル酸亜鉛の分子量の逆数は過酸化物量の少ないところでは過酸化物の1/2乗に比例して増大するが, 過酸化物の多い重合率の高いところでは過酸化物量への依存性は小さい. NBRはHNBRの約1/4であり, グラフトポリマー数が4.6倍であることからNBRのようなグラフト性の高いゴムではゴムへのラジカルトランスファーが主として分子量を決めていると推定される. HNBRの引張強さは重合率80%を超えると平衡になり50MPa以上の強度となる. 以上からこの系はメタアクリル酸が溶解して重合していると推定される.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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斉藤 孝巨
日本ゼオン株式会社開発研究所
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斉藤 孝臣
日本ゼオン株式会社 研究開発センター
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浅田 美佐子
日本ゼオン株式会社 研究開発センター
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西村 浩一
日本ゼオン株式会社 研究開発センター
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豊田 明宣
日本ゼオン株式会社 研究開発センター
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斉藤 孝臣
日本ゼオン (株) 開発総合センター
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豊田 明宣
日本ゼオン株式会社
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