生分解可能澱粉添加プラスチックの土壌埋設による評価研究(第1報)処理条件設定と形態観察を中心とした評価
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概要
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澱粉等を添加した不完全分解型の生分解プラスチックについて, 処理条件をできるだけ明確にした状態で数種類の土壌を用いて, 土壌埋設処理後の評価試験を行った. 土壌微生物によるポリマーの劣化に対する影響を調べた結果, 微生物量の多い土壌ほど, ポリマーに対する劣化の影響が大きいことが認められた. この結果をもとに, 更に微生物量の多い堆肥を用いて, 8か月間の土壌埋設処理を行い, ポリマーと澱粉の界面を中心にSEMを用いて観察した結果, フィルムを貫通する直径約200μmの空孔の存在が確認された. 貫通した空孔の数及びポリマーのダメージの受け方は結晶化度の低いポリマーほど, 多くなる傾向が認められた. また, これらの空孔のエッジ近傍は, 空孔に近づくほど劣化が激しいことからポリマー欠損原因は昆虫食ではなく, 添加された澱粉の消費と同時にポリマー自体が劣化及び崩壊し, その結果空孔が生じたものと推定される.
著者
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大武 義人
化学品検査協会
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小林 智子
化学品検査協会
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矢吹 増男
萩原工業株式会社 合成樹脂事業部 研究開発センターGL
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五味 洋子
化学品検査協会
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伊藤 茂樹
化学品検査協会
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百武 健一郎
化学品検査協会
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矢吹 増男
萩原工業株式会社
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